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子宮がん検診について

子宮がん検診には、子宮頸がん、子宮体がんの2つの検診があります。 毎年全世界で約27万人もの女性が子宮頸がんによって大切な命を失っています。定期的に健診を受けることで、がんが進行してしまう前に発見し、子宮を失わずに早期治療をすることが大切です。


定期的に子宮がん検診を受けて、大切な自分の身体を守りましょう。

子宮頸がん

子宮下部の子宮頸部と呼ばれる部分から発生します。子宮の入り口付近に発生することが多いので、観察や検査がしやすいため、発見されやすいがんです。
また、早期に発見すれば比較的治療しやすく、良い経過をたどりやすいがんです。しかし、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要と言えます。

子宮頸がんの発生には、ヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の感染が少なからず関連しています。HPVは、性交渉で感染すると言われるウイルスです。子宮頸がんの患者さんの90%以上からHPVが検出されることが知られています。
ただ、HPV感染そのものは稀ではなく、感染しても、多くの場合は無症状のうちにHPVは排除されるようです。HPVが排除されずに感染が持続すると、一部に子宮頸がんの前がん病変や子宮頸がんが発生すると考えられています。 また喫煙も、子宮頸がんの危険因子であることがわかっています。

子宮頸がんの症状

初期には、ほとんど症状がありません*。異形成(いけいせい)というがん細胞になる前の状態を経てがん化することが知られており、がん細胞に進行する前に、正常でない細胞(異形細胞)の状態を“細胞診”という検査で見つけることができます。つまり、無症状の時から、婦人科の診察や検診などで発見することが可能なのです。

*例外的に、性交時にわずかながら出血の見られることがあります。これは初期症状として重要ですので、もしも出血を見たような場合には、早めにご相談ください。

子宮頸がんの検査方法

所要時間は5分程度です。

問診
まず、初潮年齢や生理の様子、妊娠・出産経験の有無、月経の状況、自覚症状の有無などについてお聞きします。
内診
内診台に上がり、頸部の状態を目で見て確認(視診)し、腟鏡で子宮頸部の状態を観察します。内診では、子宮の形、大きさ、位置、表面の状態、炎症の有無などを確認します。

細胞診
やわらかいヘラやブラシのようなものを腟に挿入し、子宮頸部の粘膜を軽くなでるようにしながら採取します。稀に少量の出血を見ることはありますが、痛みはほとんどありません。
結果
細胞診の結果待ちを含めて、2週間ほどで検査結果がわかります。

子宮体がん

子宮体がんは子宮内膜がんとも呼ばれるように、胎児を育てる子宮の内側にある、子宮内膜から発生するがんです。発生の仕方には、タイプ1とタイプ2の2つのタイプがあると言われています。

タイプ1体がんは子宮内膜増殖症という前がん病変をともない、徐々にがんが出来てきます。全体の90%を占め、比較的若い40~50歳代に多いがんです。

タイプ2の体がんは正常子宮内膜から一気にがんが出来るタイプで、高齢者に多いがんです。罹患率は女性人口10万人に対して約7.5人です。年々増加して来ており、日本でも将来は欧米と同じように、頸がんよりも体がんが多くなると考えられています。

子宮体がんは生活習慣の欧米化にともない、増加しています。不妊症、出産経験の無い方、肥満、糖尿病、高血圧の人は注意が必要です。

子宮体がんの症状

いちばん多い自覚症状は不正出血です。
子宮頸がんに比べ、子宮体がんになる年代は比較的高齢ですから、閉経後あるいは更年期での不正出血があるときには、特に要注意です。 閉経前であっても、月経不順、乳がんを患ったことがあるなどの場合は、やはり注意が必要です。

子宮体がんの検査方法

まず、超音波検査を行い子宮内膜の状態を観察します。また、直接子宮の内部に細い棒状の器具を挿入して細胞を採取して検査する、子宮内膜細胞診があります。疑わしいところがあれば、さらにさじ状の器具を使って組織を採取して診断します。 ただ、子宮体がんの患者さんは比較的高齢の方が多いので、子宮の中まで器具を挿入することが難しい方もおられます。